戦略的に採用をするってどういうこと?
採用を任せられたけれど、何から始めればいいか分からない…
近年、採用競争が激化し、求人を出すだけでは優秀な人材の確保が難しくなっています。そこで重要なのが「採用戦略」です。
採用戦略を設計すると、自社が抱える採用課題が明確になり、成果につながる改善策を導き出せます。
しかし、具体的に何をどう進めればよいのか、わからない方も多いのではないでしょうか。
本記事では、採用戦略の具体的な内容やメリットをわかりやすく解説します。
企業規模別の戦略の考え方も紹介するので、採用活動に課題を抱えている方は参考にしてください。
採用戦略とは?
採用戦略とは、企業が採用目標を達成するために立てる全体の設計図のことです。
「どのような人材を」「なぜ採用するのか」を経営方針や事業戦略に基づいて明確にし、中長期的な視点で採用活動を設計します。

近年、多くの企業が採用活動に苦戦しています。求人広告や人材紹介といった手法が多様化するなか、自社に最適な方法を選ぶのは簡単ではありません。
株式会社RYOMAの調査では、「過去に受けた採用支援サービスに対して不満に感じたことは何ですか?」という質問に対し、187社中84社が「提案が自社に合わなかった」と回答しました。

自社の課題や目的を明確にした採用戦略があれば、最適な採用手法を選べるようになります。
採用活動で成果が出ない原因は、手法そのものよりも、土台となる戦略が不十分な場合が多いのです。成果を出すには、自社に合った採用戦略を立てることが欠かせません。
採用戦略を立てるメリット
採用戦略を立てると採用活動がスムーズになり、多くのメリットが得られます。代表的なメリットは以下の通りです。
- ミスマッチを防止できる
- 採用コストを削減できる
- 採用目標をもとに共通認識が持てる
ここからは、各項目について詳しく解説します。
ミスマッチを防止できる
採用戦略を立てる際には、採用要件を定義するプロセスがあります。
要件が曖昧なままだと、採用担当者の判断が主観に左右されやすくなり、入社後に現場と求職者の双方が「想像と違う」と感じるリスクが高まります。
採用要件を明確にして評価基準を統一すると、属人的な判断を避けられ、入社後のミスマッチを防げるのです。
採用コストを削減できる
採用戦略を立てると、採用活動にかかる無駄なコストを削減できます。
戦略がないまま採用媒体を選ぶと、自社に合わない手法に予算をかけてしまい、成果につながらないまま費用だけがかさむことも。
一方、採用戦略があれば、必要な手法の選定や予算の適切な配分が可能です。限られたリソースで採用成果を最大化するためには、採用戦略が欠かせません。
株式会社RYOMAでは、採用手法について詳しくまとめた資料を無料で提供しています。
各手法の特徴や自社に適した選び方までわかりやすく解説していますので、ぜひご活用ください。

採用目標をもとに共通認識が持てる
採用戦略では、採用の目標(KGI・KPI)を明確に設定します。
これにより、採用業務に関わるメンバー全員が「何を目指すのか」という認識を統一できます。担当者ごとの判断や行動のズレが減り、チーム全体が同じ方向を向いて採用活動を進められるのです。
共通認識があることで、意思決定やコミュニケーションが自然とスムーズになり、結果的に採用活動全体の効率化にもつながります。
採用戦略の立案方法
採用戦略を立てたいと思っても、実際に何から始めればいいかわからない方も多いのではないでしょうか。ここからは、採用戦略を立案する際の手順を紹介します。
- 目標を可視化する
- リソースを把握する
- 採用要件を明確化する
- 現状施策を整理する
- 課題を分析する
- 採用ブランディングを設計する

採用戦略の全体像【01】:採用目標を可視化する
採用戦略の立案で最初に行うことは、採用目標の可視化です。
採用目標は、中長期的な経営・事業戦略を踏まえ、「いつまでに・どのポジションで・何人必要か」を具体的な数値で設定します。
目標を明確にすることで、現状の課題や取り組むべきことが明確になり、採用活動の成果や進捗を定期的に評価できるようになります。
この目標設定・実施・評価・改善(PDCA)のサイクルを繰り返すことで、採用活動の質を継続的に高められるのです。
採用戦略の全体像【02】:リソースを把握する
次に、自社の組織体制や採用予算など、社内リソースを正確に把握します。どれほど理想的な戦略を描いても、実行できる体制が整っていなければ意味がありません。
「採用予算はいつ・いくら使えるのか」「採用業務を誰が・どこまで担当できるのか」を整理しましょう。現実的な採用手法や予算配分が決まり、具体的で実行可能な戦略を立てられます。
採用戦略の全体像【03】:採用要件を明確化する
組織体制や予算が整ったら、次は採用要件を明確化します。
採用要件とは、採用活動における最低限の条件や基準のことです。具体的には、雇用形態や勤務地、必須のスキル・経験、給与などが挙げられます。
これらの採用要件は各部署にとって譲れない「絶対条件」です。理想的な人物像を話し合う前に、条件を社内で整理し、全員で共通認識を持つことが採用成功のポイントです。
採用戦略の全体像【04】:現状施策を整理する
採用要件が明確になったら、次は現在行っている採用手法や施策を整理しましょう。
この段階の目的は、具体的にどのような施策を実施しているかをリストアップすることです。
応募から内定までの選考フローや面接での質問内容、評価方法、利用媒体などを詳細に書き出しましょう。採用活動の全体像を可視化することで、次のステップである課題分析の準備が整います。
採用戦略の全体像【05】:課題を分析する
最後に、採用目標と整理した現状施策を比較し、ギャップを分析します。「目標に対して何が不足しているのか」「改善すべきプロセスはどこか」を特定していきましょう。
こうして課題を明確にすることで、自社に最適な改善策や具体的なアクションプランが見えてきます。
採用ブランディングを設計する
採用戦略を立てるだけでは、求職者に選ばれる企業にはなれません。求職者から見ると、給与や仕事内容といった条件面だけでは企業の違いが分かりにくくなっているのが現状です。
そこで重要なのが、企業の想いや価値観を伝える「採用ブランディング」です。自社が大切にしている理念やカルチャーを示すことで、求職者に「この会社で働きたい」と感じてもらえるようになります。
採用ブランディングについては、以下の記事で詳しく説明しています。ぜひあわせてご覧ください。
「採用戦略を作ったけれど本当にこれで合っているのか不安」「採用戦略を立てたものの成果が出ない」とお悩みではありませんか?
株式会社RYOMAの採用コンサルティングサービス「オールインHR」では、現状分析から改善提案、実行支援まで一貫してサポートしています。採用活動に不安や課題を感じている方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
企業規模別の採用戦略の考え方
ここからは、企業規模別の採用戦略の考え方について紹介します。
企業が抱える課題や必要な戦略は、規模や成長フェーズによって異なります。以下の表は、各フェーズのよくある課題と、その課題を解決するための戦略をまとめたものです。
なお、次の章から詳しく紹介しますので、自社に該当する内容を参考にしてください。

1~10人|創業期の企業
従業員が1〜10人の創業期の企業では、資金や人手、時間など、あらゆるリソースが不足しているのが実情です。
そのため、経営者自身の知人や紹介など、コストのかからない手法が中心となります。無料で始められ、自社や経営者のリアルな魅力を伝えられるSNS採用もおすすめです。
SNS採用についてはこちらの記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
11~30人|急成長期の企業
従業員が11〜30人の急成長期の企業では、採用専任者がいない、または他業務との兼任で、採用活動が場当たり的になりがちです。
これまでは経営者の人脈や判断に頼って人材を集めてきましたが、組織的な採用体制への移行が求められます。そのため、専任の採用担当者を育成し、求人媒体や人材紹介を活用して経営者依存を減らしましょう。
また、経営者の感覚で決めていた採用基準やターゲット像を言語化し、誰が担当しても判断できるようにすることも重要です。
株式会社RYOMAが、ペルソナ設計から媒体運用までを支援した成功事例をこちらの記事で紹介しています。
採用活動の改善に役立つ具体的な取り組みを紹介していますので、ぜひご覧ください。

伴走型採用コンサルで“継続的な採用成功”を実現!
司法書士法人トラストグループ様の成功事例記事です。
31~50人|安定成長期の企業
従業員が31〜50人の安定成長期の企業は、事業や組織をさらに拡大していくフェーズです。この段階では人事制度の整備やMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)の再定義など、社内体制の強化が必要です。
社内体制やMVVが明確になると、企業の方向性や各組織の役割がはっきりします。これにより、マネジメント層や経験豊富な人材が、安心して入社を決められるようになるのです。
また、明確化したMVVや社内制度を採用広報として外部へ発信することで、より多くの優秀な人材を惹きつけられます。
MVV設計を含めた採用支援の成功事例をこちらの記事で紹介しています。ぜひご覧ください。

共感重視の戦略で採用承諾率67%を実現!
Euphonauts様の成功事例記事です。
51~100人|変革期の企業
従業員が51〜100人規模の企業では、採用活動の効率化と内製化が重要な課題です。
事業規模の拡大に伴い部門や職種が増え、各部署の求める人材要件が複雑化するためです。また、新卒採用や中途採用といった採用チャネルが多様化し、それぞれを効果的に使い分けることも求められます。
こうした複雑な課題を解決するためには、採用コンサルティングの活用もおすすめです。プロの客観的な視点を取り入れることで、自社だけでは気づきにくい課題を明らかにし、適切な改善策を立案できます。
株式会社RYOMAでは、戦略設計から手法の実行、内製化までを3ヶ月で支援する「爆速戦略設計サービス」を提供しています。
採用活動にお悩みの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
よくある質問
採用戦略と採用計画との違いは?
採用計画と何が違うの?
採用戦略とは、企業が採用目標を達成するために立てる全体の設計図のことです。「誰を(Who)・なぜ採用するのか(Why)」を中長期的な視点から明確にします。
一方で採用計画は、戦略を具体的な行動に落とし込んだ実行プランです。「いつ(When)・誰が(Who)・どのように(How)・どのくらいの予算で(How Much)」採用活動を行うのかを詳細に決めます。
戦略があっても、実際の行動に落とし込んだ計画がなければ成果に結びつきません。逆に計画だけが先行し、戦略がないまま進めてしまうと場当たり的な採用活動になり、安定した成果を得られません。
まず戦略を明確に立て、具体的な計画に落とし込み、着実に実行していくことが重要です。

採用戦略がうまくいかないときは?
採用戦略を立ててみましたが、思うように成果が出ません…
株式会社RYOMAが提供する「オールインHR」にご相談ください。
採用戦略の立案から施策の実行まで、採用のプロが企業の課題にあわせてオーダーメイドで支援します。ぜひお気軽にお問い合わせください。
まとめ|採用戦略を立てて採用活動を成功させよう
採用戦略を立てることで、自社の課題が明確になり、適切な改善策を見い出せます。戦略に基づいた行動を実行していくことで、採用活動の成功につなげられるのです。
株式会社RYOMAが提供する「オールインHR」では、採用戦略の立案から施策の実行まで、採用活動全般の課題解決をサポートしています。採用業界の最前線で活躍するプロが企業にぴったりの採用方法をご提案します。
採用活動にお悩みの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。


採用プランナー事業部責任者
担当プランナー 藤村 滉大
経歴
RYOMA新卒社員第一号『現在採用プランニング事業統括責任者』
SES業界を中心に、創業期の企業から300名規模まで、採用戦略から採用計画を実行、最適化まで一貫してサポートを提供。担当企業様から約80%を超えるリピートを達成。
信頼と実績に基づいた確かな成果を重視しています。
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