RPO(採用代行)とは?具体的なサービス内容やメリット・デメリットを解説!

この記事でわかること
  • RPOのサービス内容
  • メリット・デメリット
  • 料金体系と相場
  • 自社に合うRPOの選び方
  • RPOと採用コンサルの違い
採用のプロが解説します!

近年、人材不足や採用競争の激化により、企業には戦略的な採用活動が求められています。そこで注目されているのが、外部の専門家に採用プロセスを委託する「RPO(採用代行)」です。しかし、RPOという言葉に聞き馴染みがない方も多いのではないでしょうか。

本記事では、RPOの具体的なサービス内容や料金相場、自社に合うRPOの選び方を詳しく解説します。よくある質問にもお答えするので「自社の採用活動をもっと効率的にしたい」とお考えの方は、ぜひ参考にしてください。

RPO(採用代行)とは?

RPOとは「Recruitment Process Outsourcing」の略称で、採用代行サービスを指します。求人媒体の運用や候補者の選考・面接といった、企業の採用業務を代行するサービスです。

採用難の現代では、多くの企業が採用に課題を感じています。厚生労働省の「採用業務代行サービスの利用に関する実態調査」によると、約9割の企業が採用業務に課題を抱えていることがわかりました。

出典元:厚生労働省「採用業務代行サービスの利用に関する実態調査

採用のプロであるRPOに業務を委託することで、さまざまな採用課題が解決でき、効率的な採用が叶います。

RPOの具体的なサービス内容

RPOでは、企業の採用業務を一部または全体的に代行します。
具体的なサービス内容は以下のとおりです。

  • 募集要件の設定
  • 採用戦略の設計
  • 採用計画の立案
  • 母集団形成
  • 問い合わせ対応
  • 応募管理
  • 候補者の選考・面接の実施
  • 内定者のフォロー
  • オンボーディングの提案

ここからは各項目を詳しく説明します。

募集要件の設定

RPOでは企業のニーズに基づき、募集要件を設定します。募集要件の設定は、採用戦略や母集団形成に関わる重要な要素です。
まず、企業にヒアリングした内容から、採用したいポジションの役割や業務内容を整理します。次に、必要なスキルや経験、企業文化に合ったペルソナを設計。採用市場や競合を調査したうえで募集要件を提案します。

採用戦略の設計

RPOが提供するサービスのなかで特に重要となる工程が採用戦略です。
採用戦略では、ターゲット人材に合わせた求人媒体の選定(求人広告、スカウト型サービス、リファラル採用、SNS採用など)や採用ブランディングの方法など、効率的にアプローチするための手段を決定します。

採用計画の立案

採用計画の立案では、採用戦略と企業の事業計画に沿って、スケジュールを策定します。
採用目標や採用市場の動向を踏まえ、どの時期に求人広告を出すか、どのように運用するかなどを具体的に決定します。採用計画を立てるにはノウハウが必要となるため、経験豊富なプロへの依頼がおすすめです。

母集団形成

母集団形成とは、応募者を集めることです。RPOではターゲットに合う求人媒体を実際に運用して、母集団形成を行います。たとえば、求人広告の投稿やスカウトメールの送信、人材紹介サービスの利用など、ニーズに合わせたアプローチを実施。
母集団形成には多くの時間と手間がかかるため、RPOに代行してもらうことで企業の負担を大幅に軽減できます。

問い合わせ対応

企業に代わって候補者からの問い合わせ対応を行うサービスです。
問い合わせ対応には臨機応変さが求められるうえに、スピードが重要になります。問い合わせ対応がスムーズであれば、候補者の安心につながり、応募しやすくなります。問い合わせ対応をRPOに依頼することで、候補者からの質問があった際にスピーディーな返答が可能です。

応募管理

多くの応募があった場合、書類確認や日程調整が煩雑になりがちです。特に、人手不足の企業では応募管理に時間がかかります。
RPOでは応募情報を一元管理できるATS(採用管理システム)を導入しており、大量の応募も効率的に管理することが可能。企業の負担軽減はもちろん、対応の遅れによる辞退や予定調整ミスなどのリスクも削減できます。

候補者の選考・面接の実施

RPOでは、企業が求める人物像に基づき、候補者の選考を行います。書類選考では、応募書類の内容が採用基準を満たしているかを精査し、スクリーニングを実施します。RPOに依頼することで業界知識を活かし、応募者の経歴や資格が企業のニーズに合うかを判断できる点がメリットです。
また、RPOは面接の代行も行います。選考プロセスに沿って、面接のスケジュール調整から候補者への合否連絡までの一連の流れをサポートします。

内定者のフォロー

RPOでは内定者の辞退を減らせるよう、採用決定後のフォローも行います。内定者の意欲を維持するために定期的に連絡を取り、入社準備のサポートや業務の流れの説明を実施します。
こうした取り組みにより、内定者の不安を軽減し、企業への期待感を高めることが可能です。入社前から良好な関係を築くことで内定辞退のリスクを抑え、スムーズな入社につながります。

オンボーディングの提案

オンボーディングとは、採用した社員が職場に馴染めるようにサポートするプログラムのことです。入社後の研修や社内環境の調整を通じて、早期離職のリスクを軽減します。
RPOではオンボーディングも代行しており、新入社員が安心して業務に取り組める環境を整備。採用した人材の長期定着を目指します。

RPOに依頼するメリット

RPOに採用業務を依頼すると、多くのメリットがあります。代表的なメリットは以下の通りです。

  • 採用業務の負担を軽減できる
  • 採用スピードが向上する
  • ミスマッチ防止による人材定着率の向上
  • 内定者の辞退を減らせる
  • 採用活動にかかる人件費の削減

採用業務の負担を軽減できる

採用業務には、求人広告の作成・候補者のスクリーニング・面接調整・内定通知など、さまざまな業務があります。さらに、問い合わせ対応や各部門との調整などの細かい業務も多岐に渡り、人手不足の企業には大きな負担となります。
RPOを利用して外部に採用業務を委託すると、採用活動の負担を軽減することが可能。コア業務に注力でき、社内の人的リソースを効率的に活用できます。

採用スピードが向上する

RPOは採用のプロであり、豊富な知識とノウハウを持っています。そのため、HR知識を持たない企業が試行錯誤しながら採用活動を行うよりも、効率的に進められる点がメリットです。業種に合わせた母集団形成(候補者を集めること)や、ターゲットに適したアプローチ方法などのノウハウを活かせるため、人材の採用スピードが向上します。

ミスマッチ防止による人材定着率の向上

RPOを導入すると、人材の定着率が向上するメリットがあります。
求人情報をターゲットに合わせて作成し、応募者が仕事内容を的確に理解できるように記載することでミスマッチが減るからです。たとえば、RPOでは企業が求める人材や採用条件、業務内容などを整理し、情報をわかりやすく発信します。RPOを活用することでミスマッチによる早期退職のリスクを低減でき、人材の定着率が高まります。

内定者の辞退を減らせる

内定者が入社前に辞退する理由はさまざまですが、適切なフォローアップを行うことでリスクを減らせます。
業務内容の詳しい説明や入社準備のサポートなど、定期的なコミュニケーションにより、内定者が抱える不安や疑問を解消できます。最終段階での辞退を防ぎ、採用コストの無駄を抑えられる点は企業にとって大きなメリットです。

採用活動にかかる人件費の削減

RPOを導入すると、採用活動にかかる余計な人件費を削減できます。
社内に専任の採用チームを新たに設置する場合、教育にかかるコストや時間が必要となり、人件費の負担が増大します。RPOを利用すれば、知識豊富な専門家を必要に応じて活用でき、教育コストを削減可能。採用プロセスが効率化され、採用活動にかかる人件費も抑えられます。

RPOのデメリット・注意点

RPOには以下のようなデメリットと注意点があります。事前に把握しておきましょう。

  • すり合わせに時間を要する
  • 自社にノウハウが蓄積されない

すり合わせに時間を要する

採用活動を成功させるには、企業側とRPO担当者がコミュニケーションを取り、求める人材像や企業文化を正確に共有する必要があります。初期段階の打ち合わせをていねいに行うことで、後々のミスマッチを防ぎ、円滑な採用活動を実現しやすくなるのです。
時間をかけて要件のすり合わせを行うため、手間に感じるかもしれませんが、採用活動をスムーズに進めるために重要なプロセスです。

自社にノウハウが蓄積されない

RPOを利用するデメリットのひとつは、採用プロセスに関するノウハウが自社に蓄積されにくい点です。外部の専門業者に依頼することで、採用戦略や手法が社内に共有されにくく、自社の採用力を強化しにくいからです。採用に関する知識やノウハウを蓄積し、採用力を強化したい場合は、採用コンサルティングの利用がおすすめです。

採用コンサルティングについては以下の記事もあわせてご覧ください。

RPOの利用にかかる料金

RPOの料金は、プランやサービス範囲によって大きく異なります。主に以下の3つの料金体系が一般的で、それぞれの特性を理解しておくと、自社のニーズに合うプランを選びやすくなります。

  • 月額固定制
  • 成果報酬制
  • 従量課金制

月額固定制

月額固定制では、期間ごとに一定の金額を支払う仕組みです。料金は月5万〜100万円程度で、依頼するサービス内容や採用規模によって幅があります。採用人数によって料金が変動しないため、大量採用を行う企業におすすめです。

成果報酬制

成果報酬制では、採用が成功した際に料金が発生します。料金は採用者の年収の20~30%程度に設定されることが一般的です。採用人数が少ない場合や、特定のポジションの採用に集中したい企業に適しています。

従量課金制

従量課金制は、利用した分だけ料金を支払う仕組みです。たとえば、求人広告の掲載が1回10万円、スカウトメールが1通あたり数百円~数千円などの料金設定です。スポット的にRPOを活用したい企業に適しており、短期的な採用ニーズにも柔軟に対応できる点がメリットです。

自社に合うRPOの選び方

採用の需要が高まる今、さまざまな提供会社からRPOが提供されています。以下の点に注意し、自社に合うRPOを選びましょう。

  • 自社の業種に合うRPOを選ぶ
  • サービスの対応範囲がニーズに合うか
  • 料金体系がわかりやすいか
  • 担当者のコミュニケーションの質

自社の業種に合うRPOを選ぶ

RPOを選ぶ際は、提供会社の特徴や得意分野を確認しておきましょう。サービスや担当者によって、専門とする業界や職種が異なるからです。
多くの場合、提供会社の実績ページや導入事例を確認することでわかります。特に専門職の採用では、専門知識を要するため、自社の業種に合うサービスを選ぶことが重要です。

サービスの対応範囲がニーズに合うか

RPOを選ぶ際に必ず確認すべき点は、サービスの対応範囲が自社のニーズに合っているかどうかです。たとえば、採用活動全体を委託したいのか、一部だけ代行してほしいのか、自社の要望に合わせた対応範囲があるかを確認しましょう。
事前に問題点やニーズを洗い出して採用プロセスのどの部分をアウトソースするのかを整理しておくと、RPO選定がスムーズに進みます。

料金体系がわかりやすいか

RPOを選ぶ際には、予算内に収まるかだけでなく、料金体系や内訳が明確であることも重要です。
具体的な費用内容がわかりやすいか、どの部分に追加費用が発生するのかを確認しましょう。また、安すぎる料金設定にも注意が必要です。安価で提供されるサービスには、質が伴わない場合や追加料金が高額となる場合があります。
見積もりに不透明な部分や疑問点があった際は契約前に解消しておきましょう。

担当者のコミュニケーションの質

RPOの担当者とのコミュニケーションは、企業のニーズや求める人材像を正確に伝えるために重要です。
情報交換をしっかり行うことで、企業文化を踏まえた人材を確保でき、採用活動がスムーズに進行します。逆に、コミュニケーションが不十分だとミスマッチのリスクが高まります。そのため、RPOを選定する際には、担当者のコミュニケーションの質にも注目しましょう。

RPOを使うべき企業の特徴

RPOを使うべき企業の特徴は以下の通りです。RPOの利用により採用課題の解決につながります。

  • 人的リソースが不足している企業
  • 採用の知識やノウハウが足りない企業
  • 採用スピードを重視する企業

人的リソースが不足している企業

採用活動ではレスポンスの速さが非常に重要です。対応が遅れると、候補者が競合他社に流れてしまうリスクが高まるからです。たとえば、「問い合わせへの返信が遅い」「面接日程の調整がスムーズに進まない」といった対応の遅れは、候補者に不安感を与え、企業への信頼感を損なう原因となります。
RPOを導入すれば、人的リソース不足による対応の遅れを解消することが可能です。

採用の知識やノウハウが足りない企業

採用活動には、採用市場の把握や適切な媒体選定、魅力的な求人ページの作成など、専門的な知識が必要です。
しかし、採用の知識やノウハウを社内で習得するには時間がかかり、企業にとって負担となります。特に、急ぎの採用や専門性の高い職種では、自社での対応に限界があるでしょう。RPOは、知識と経験を持つ担当者が採用業務を代行するため、企業の知識や経験の不足を補える点がメリットです。

採用スピードを重視する企業

スタートアップ企業やベンチャー企業では、採用の遅れが事業成長の妨げになるため、スピーディーな採用が求められます。しかし、事業拡大中の企業では他のコア業務に追われてしまい、採用に時間をかけられないケースが多いです。
RPOでは、採用の専門家がプロセス全体を効率化したうえで採用活動を代行するため、採用スピードがアップします。必要な人材を短期間で集められるため、採用スピードを重視する企業におすすめです。

RPOを利用した実際の成功事例

ここからは、RPOを利用して効率的な採用が実現した成功事例を紹介します。
RPOの利用を検討中の方はぜひ参考にしてください。

人事不足を解消し、6か月で14名の採用に成功した事例

不動産業を営むS社は人事部門の人手不足により、採用活動が思うように進まずに悩んでいました。
そこで、RYOMAのRPOを導入し、スカウト文面の作成や配信といったスカウト関連業務を中心に代行を依頼。さらに、書類選考・日程調整・面接実施・データ管理などの面接関連業務も一括で委託し、6か月で14名の採用に成功しました。
RPOを活用したことで採用活動にかかる負担が軽減され、人手不足の解消も実現できた成功事例です。

採用管理の効率化により、3カ月で21名が入社した成功事例

ITベンチャー企業のY社は、事業拡大に伴って多くの人材が必要でした。
しかし、自社だけではスムーズな採用活動を進められず、採用計画が滞っていました。そこでRYOMAのRPOを活用し、スカウト文面の作成と配信・書類選考・日程調整・データ管理などの採用業務を委託。採用管理が効率化し、短期間で候補者とのコミュニケーションや選考プロセスを進められるようになりました。
その結果、3か月で21名の入社が確定し、スピーディーな人員増加を実現できました。

よくある質問

RPOと採用コンサルティングの違いは?

RPOと採用コンサル、どちらを使えばいいですか?

RPOは採用業務を代行してもらうサービスですが、採用コンサルティングは自社で効率的に採用を進められるよう支援してもらうサービスです。長期的な採用成功を目指したい企業には採用コンサルティングがおすすめです。

RPOと人材紹介サービスの違いは?

RPOと人材紹介サービスってどう違うんですか?

RPOと人材紹介サービス(転職エージェント)の大きな違いはサービスの範囲です。RPOは採用プロセス全体を支援しますが、人材紹介サービスは特定のポジションに対する候補者を紹介することに特化しています。

人材紹介サービスについてはこちらの記事もあわせてご覧ください。

まとめ:採用代行サービスを利用して採用業務を効率化しよう

本記事のまとめ
  • RPOは採用業務を代行するサービス
  • さまざまな採用課題を解決できる
  • 成果を出すには自社に合うRPOを選ぶ

RPO(採用代行サービス)に採用業務を委託することで、企業の業務負担が軽減し、採用業務全体を効率化できます。

株式会社RYOMAが提供する「オールインHR」では、企業の採用活動をサポートします。求人媒体の選定やスカウトメールの送信、選考プロセスの代行など、採用を成功させるための取り組みをオーダーメイドで支援することが可能です。採用活動にお悩みの企業はお気軽にご相談ください。

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